« 2000年4月 | トップページ | 2000年6月 »

2000年5月

2000年5月18日 (木)

ネットビジネスに実力ある技術者を

 久しぶりに実況中継を更新します。最近会社を取り巻く状況にはバタバタと動きがあるのですが、なかなかここに書くのが難しい事が多く、どうしようかなと思っていました。そこで今回は、最近の株価変動を含むネット業界の動きについて書いてみます。

 最近、今春にIPO(新規株式公開)した会社の株価が軒並み下がっています。この現象は2月に米国ドットコム株相場が急落した事を背景にしているようですが、日本でも昨秋の東証マザーズ急騰騒ぎが早々と終了し、ネット企業選別の時代に入った事を意味しているようです。最近IPOした企業の株価の多くが公募価格割れしており、当初のインターネット総研の株価急騰が嘘のようです。この動きをどのように見るかはその人の考え方次第ですが、私は未だ真にイノベイティブなネット企業が日本に存在しないことが露見したのではないかと考えています。実は、これらの企業は売上高こそ急成長していますが、そのビジネスモデルは意外と単純かつ古く、インターネットの機能を十分に引き出しているサービスはあまり無いといって良いでしょう。日本のメジャーなインターネットサービスの殆ど全てが、

  • 「米国でメジャーになったサービスのローカライズ版」
  • 「リアルワールドに存在するサービスのオンライン版」
であり、日本発の真にイノベイティブなサービスは存在しません。その証拠に、日本で開発されたサービスで、アメリカに進出して成功したものは無いはずです。オンラインで業界のインタビューや、ニュースを読んでいてよく思うのですが、最近のベンチャー経営者は、強気の売上高見通しや早期IPOばかりを口にして、どうもお金に執着している人が多くなっているような気がします。しかも、その様なベンチャーが始めるサービスの多くは、2匹目(もしくはそれ以下)のドジョウ狙いだったり、素人目に見ても大したこと無いサービスだったりして、なんか悲しくなってしまう時があります。せっかく人生を賭けて起業するのだから、もっとお金儲け以外の志があっても良いと思います。株価バブルもあって、ネット業界というと虚業のイメージですが、実際の会社経営は厳しい現実の中にあり、夢物語は早晩破綻することが確実です。もうちょっとまともな人が業界に参入してこないと、きっと外資にやられてしまうと思うのは私だけでしょうか?

 話はちょっと変わります。我々はこの業界に入ってまだ3ヶ月程度の新参者ですが、業界の雰囲気というか、単体メディアでは分からない状況というのがだんだん分かるようになってきました。一つ言えることは、よく言われていますが、人材が決定的に足らないということです。特に実力ある技術者が全く足りません。ビットバレーなどの企業の多くは、元コンサルタントなどの文系の企画屋さんが経営をしています。彼らは確かに経営に関しては優秀だと思いますが、最先端の技術に対する理解が十分では無いと思われます。そのため、どうしても「既存技術を使ってどうしよう」と考えがちで、「新しい技術を創ろう」とは考えないようです。逆にアメリカでは、シリコンバレーに代表されるように技術主導のベンチャー企業が主流です。確かに、アメリカにも発想こそが素晴らしい有名サービスがありますが、実はそれを支えているのは、膨大な数の無名技術ベンチャーなのです。日本のビットバレーなどは、表面的にシリコンバレーやシリコンアレーを真似ようとしていますが、そこに決定的に欠けているものは技術力だと思います。

 そんなわけで、またもやとりとめのない話になってしまいましたが、日本のネットビジネスを活性化させようとする場合には、優秀な技術者の大企業からの流出が欠かせないと思います。技術者のみなさん、この業界に飛び込むなら今です。経験なんてみんな大してありませんから、努力で十分カバーできます。私が1現役エンジニアとしてお奨めできるくらいには、この業界は面白いですよ。もちろん選択は当人の自由ですが、いずれにせよこのままでは、IT業界だけではなく製造業も含めて日本が負けることは明白です。是非とも思い切って飛び込んでみて下さい。きっと日本が変わります。もちろん技術者に限りません。文系の方でも大丈夫、要はヤル気です。なんせみんな素人ですから。残念ながら弊社では、今のところ大々的な採用は出来ませんが・・・その辺はなんとか頑張ります。(^_^;)

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2000年5月 3日 (水)

人生はギャンブルだ

 最近メールで会社設立のご挨拶状を出したこともあり、多くの方から「優良企業を簡単に飛び出してすごい勇気だね」と言われます。もちろんお世辞の部分が多分にあるとは思いますが、確かに自分も退職届けを出すまでは多少(笑)の躊躇があり、辞めるのには多少(笑)の勇気も必要でした。ところが実際に退職して会社を始めてみると、逆に退職を躊躇していた時の、サラリーマン的感覚の方が特殊だったのだと考え始めました。

 会社を退職してサラリーマンを辞めてから、初めて理解できた部分もあるのですが、最近改めて、『人生は全てギャンブル(賭け)なんだ』と実感しています。高度成長期の日本社会は、終身雇用制で安定成長だったと言われていますが、実はそれこそが幻想だったのではないかと思います。考えてみて下さい、終身雇用とは誰が責任を持って雇用を保証する制度なのか? 一般的には、会社(経営者)が保証すると解釈されているようですが、そもそも資本主義社会において、会社の経営者が将来を保証するなどということが出来るわけがないのです。ちょっと考えれば分かることですが、将来の雇用を保証するためには、将来の会社存続が保証されなくてはなりません。ところがそんなことを保証してくれる機関はないのです(もちろん国は保証してくれません)。ということは、いくら現在の経営者が、「30年後も君たちの雇用は絶対に保証する」と公言したとしても、30年後にその会社が存続していなければ保証しようがありませんし、経営者が交代していた場合に、後継者がその言葉を守る保証も無いということになります。資本主義経済において、事業会社はいつでも簡単に倒産するものですし、そのようなことは、高度成長期においても頻繁に起こっていたはずです。ただ、日本経済全体が成長過程にあったため、倒産会社の社員も比較的スムースに他社に吸収されていって、そのために社会的に顕在化・問題化しなかっただけだと思います。

 一般的に会社が倒産するということは、そこで働いていた会社員にとっては未回収債権が発生するということを意味します。通常の倒産会社には負債が存在しますが、債権には担保や抵当権などの回収優先順位があります。では、倒産会社の雇用者に対する未払い賃金や退職金には回収優先順があるのかというと、普通はありません。それはその様な契約を、会社と雇用者の間で締結していないからです。ということは、会社が倒産した場合にその会社に雇用されていた人は、退職金等何らかの形で未回収金の発生を覚悟しなければならないのです。みなさん、もらえるはずだと退職金をあてにして住宅ローンなどを組んでいませんか?

 話は戻りますが、上記のことを踏まえた上で、『人生はギャンブル』ということをもう一度考えてみて下さい。独立・転職というと、失敗したら負債を背負うという本当の賭のような気がしますが、実は現在の会社に居続けることも賭けなワケです。どの会社に雇用されていたとしても未回収金が発生する可能性がある以上は、サラリーマンであることも立派な賭です。賭けるということは当然リスクが発生するということであり、賭けることによる将来の(色々な意味での)利益とそのリスクを、秤に掛けてどうするかを決めるべきでしょう。

 まだうまく考えがまとめられない部分も有り、極論的に聞こえるかもしれませんが、自分がサラリーマン→経営者(まだ何もしてませんが)と意識が変化するなかで、改めて社会について考えて理解した部分を書いてみました。私は独立する方に賭けたわけですが、会社に残った方は居続ける方に賭けているわけです。結果としてどちらが良いのかは場合によると思いますが、サラリーマンの方は、自分が毎日人生を賭け続けていることを認識した方が良いのではないかと思います。少なくともリストラを決定する経営者の方は、間違いなく認識していると思いますので。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

« 2000年4月 | トップページ | 2000年6月 »