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2000年6月26日 (月)

VBは”気骨ある”人間でなくては務まらない

 東証マザーズの株価が下がりっぱなしで、マザーズ上場企業の株価掲示板には、罵詈雑言の嵐が吹いている(この前一応、某企業の上場から現在までを追ってみました)ようですが、新聞を読む限りではベンチャーのインキュベーション(孵化)企業や支援企業などが花盛りです。また、米国の株価が調整局面に入ったこともあり、米国資金がアジア方面に流れてきているとの話もあります。そんなわけで、全体的に見ると資金供給はまだまだ堅いと言えると思います。

 しかしながら、日本のベンチャー企業ってあまりパッとしませんね。むろん我々も、今のところ鳴かず飛ばずなので人のことは言えないのですが、それにしても、下手すると韓国のネットベンチャーの方が進んでるのではないかと思うことがあります。日本人は起業家に向いていないのでしょうか? 戦後の混乱期に、SONY、HONDAなどのベンチャー企業が多数輩出されて高度成長期を創出したことを考えると、純粋に民族的に向いていないとは思えないのですが・・・。たぶん現在の人々の思考方法に問題があるのでしょうね。

 私は前職でそのHONDAに在籍していたわけですが、諸先輩方のお話を聞くと、HONDAがまだベンチャーだった頃と大企業になってしまった(?)現在とでは、その社内の行動パターンが全く違ったそうです。そして多くの先輩方は口を揃えて、「最近は上司に取り入る茶坊主が増えて、気骨あるヤツがいなくなった。」と嘆いていました。これはどういうことなんでしょうか? 一般的に考えれば、大企業になったのだから官僚化は当然の現象とも言えますが、よく考えてみると、もしかしたら社員が”気骨ある”必要がなくなったのかもしれません。私も現在その身分だから理解できるのですが、ベンチャーというものは、経営者だけではなく従業員も含めて”気骨ある”人間でなくては務まりません。

 これは、私が大企業に勤めていた経験から思うことです。自分で会社を始めようと考えて、さらに実際に会社を始めてみて、そこで初めて大企業の有難みが分かります。大企業では完全に分業体制が出来上がっており、自分の担当以外の仕事は全てその専門部署がやってくれます。自分が働いている時には殆ど意識しませんでしたが、企業には開発、製造、販売などのメインストリーム以外にも、管理などの大量の仕事が存在しています。例えば従業員を一人雇う場合で説明すると、まず人材募集から始まって、書類選考、面接、雇用条件の決定、雇用契約の締結、配属の決定などの作業があり、さらに入社した場合には、労働者名簿の作成、労基署への届出、雇用保険の届出、国税・地方税の届出、社会保険の届出、等々の事務処理をこなさなければなりません。大企業ではこれらの作業は全て専門部署でシステマティックに行われますが、ベンチャーのような小さな企業では、殆どを自分たちで賄わなければなりません。これは大変な労力です。その上で自分の専門分野で大企業と対等に渡り合って行こうというのですから、どうしても”気骨ある”人間である必要があると思います。

 逆に言うと、ベンチャーでしっかり仕事をして鍛えられれば、大企業では考えられないほどの社会経験を積むことが可能だということです。よくベンチャー企業は人材の成長が早いと言われますが、それは何でも自分でやらなくてはならないために、色々な経験を積むことができ、それが人間を鍛え上げるのでしょう。ですから、早く成長したい人や色々な経験を積みたい人は、ベンチャーで働くことを考えてみてはどうでしょうか。私は大企業で働いていましたが、待遇などの面で楽な反面、外の世界では通用しないような人間になる危険性も、十分感じました。大企業の世界は、分業化されすぎていて非常に閉鎖的な世界なのです。

 今は社会が流動化しており、非常なチャンスです。これほど若者が冒険できる時代は、戦後日本では初めてでしょう。是非ともこの機会を生かしてチャレンジしてみて下さい。

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