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2000年11月

2000年11月16日 (木)

昔一度考えて、やっぱり止めた事業

 最近仕事が急激に忙しくなって、ちょっとオーバーフロー気味です。9月までは私もシステム開発(コーディングなども含めて)を手掛けてきたのですが、最近では私が忙しくなったため技術担当取締役の塩田が一人で開発している状況です。その私はというと、事業計画の見直しと詳細化、特許申請作業、新オフィス探し、人材獲得、法務、経理、と開発以外の殆ど全ての作業をこなさなければならないため、結構大変になってきています。そろそろ本当に人を入れていかないと廻らなくなりそうです。

 今週の14日火曜日に、日本エンジェルズフォーラム主催の第4回起業家セミナーがあり、渋谷マークシティのサンブリッジまでいってきました。講演題目は「ベンチャー企業における労務政策の考え方」と「マーケティング不在のe-コマースに、成功はない」でした。両者ともそれなりに面白いお話を聞かせていただきましたが、中でもスプートニクの永江さんのお話は歯に衣着せぬ毒舌といった感じで面白いものでした。永江さん曰く、「これまでのサイト構築の経験からハッキリ分かったが、米国と違い日本ではBtoCのEC小売業は大きく伸びることはない。」そうで、その理由としては、「日本人は価格を絶対価値として評価しない民族だ。」ということがあるんだそうです。

 私が最初にこの会社を興してインターネット上でビジネスをやろうと考えたときの方針は、

  • 物流と(小口)決済が関わる小売業には手を染めない
ということでした。それはこの両者が非常にコストがかかるものであり、Amazon.comのようにこれらを自前でやろうとするとものすごい金額の初期投資が必要になると思ったからです。事実Amazonは未だに黒字転換を果たしていません(書籍は黒字になりましたが)し、これまでに投じた資金は莫大です。ベンチャーであるかどうかに関わらず、ビジネスの基本は「少ない投資で大きな利益を上げる」ことですよね。そのためにやらなければならないことは沢山ありますが、成功するかどうかが不確定なベンチャーにとっては、初期投資が大きい事業は問題が多いと思います。

 また、利益率を向上させる手だてが見つからない事業も考え物です。実は私はこの会社を始める1年ほど前に別の事業を考えたことがありました。それはパソコンの出張サポート・メンテナンスの事業だったのですが、しばらく考えてみてやっぱり止めることにしました。周囲にニーズはありましたし、初期のコストも少なくて済みそうだったのですが、利益率を向上させる手だてがあまり無いと判断したのです。このサポート事業は既にやっているところがありますが、利益を上げるのは大変だと思います。それは人員一人当たりの売上があるところで頭打ちになる構造だからです。例えば出張サポート要員が一件2時間2万円の料金で作業するとすると、一日8時間として最大4件しかまわれません。つまり限界売上が8万円/日ということです。勿論、事業の仕組み上固定費が殆どで変動費はあまりありませんから、損益分岐点を超える売上を出せば利益は上がります。しかしながら、競争力を保った料金設定をしながら利益を上げようとすると、どうしても規模を拡大せざると得ず、営業拠点などを増加させなければなりません。そして、そのように規模を拡大してゆくに従って組織も大きくなってゆくために、会社の非生産部門(管理部門)がどうしても必要になってゆき、固定費が増えるなどして利益率が落ちてゆくのです。このようなことは総じて利益率が低い事業に起こりやすい問題です。

 ちょっと長くなりましたが、そんなことを色々考えた上でこの会社を興しました。ですから、我々が今後行う事業はこの問題を回避できる構造にします。そのうち世の中に出せると思いますので、ご期待を。

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2000年11月 2日 (木)

インターネットが常時接続になるとどうなるか

 ちょうど1ヶ月程前に、日本エンジェルズフォーラム主催の投資家・起業家交流会でプレゼンテーションの機会を戴いてから、当社を取りまく環境が急変しました。前回↓の実況中継でも書きましたが、本当に今月から忙しくなってきちゃいましたね。もちろん非常に嬉しいことですが。(^o^)

 実は、ここのところ忙しい実務をある程度脇においといて(といってもちゃんと働いていますが)、将来構想というか、本当に忙しくなってしまったら考えられないような事を考えています。まあ簡単に言うと未来予想なんですが、このインターネットの出現によってその先社会がどのように変革されるのか、そのディテールの部分を詰めて考えたりしていました。というのも、単純にインターネットが常時接続になって生活に入り込んでゆくといったイメージでは、実際の企業経営が受ける影響を推し量りきれないからです。例えば、近未来の労働環境としてSOHOチックな在宅勤務がよく予想されていますが、その時の給与体系や組織体系はどうなっているのか?ということはあまり語られていませんよね。

 物事というものは必ず連続性があるものなので、あるイメージが現実化する時には、必ずその周辺も整合性を持つように構成されるものだと思います。ですから在宅勤務が普通になった場合は、その勤務形態に合った報酬体系と組織体系があるはずなのです。そしてその時自分が企業経営者ならば、いち早く世の中の流れを読み切ってその企業を変革していかなければならないでしょう。そして賢明な経営者ならば、準備は今の段階からしていかなければならないと思っています。例えば、在宅勤務形態下でマネージメントはどのように変化するのか?なんて面白いかもしれませんね。そんなわけで、当社の組織・給与体系を具体的にどう構成してゆくかということのベースとして、この未来予想をやっていました。確かに不確定な部分は多いのですが、結構データが有ることもあって、それなりに考えることは出来ます。勿論、当社の事業もこの未来予想に沿ったものになる予定です。

 たまには当初の趣旨に乗っ取って、ベンチャー企業経営の話をします。最近ナスダックジャパンクラブのMLで廻ってきている情報に、株式の無額面化スキームが有ります。これは、これまであまり一般的では無かった無額面株式を使って、株式公開した後の流動性を確保する方法についてです。ご存じの方も多いと思われますが、額面株式の場合、現行商法下では1株資産が5万円を切ることが許されていません。そして法務省の解釈((^_^;))では、その算定基準となる純資産は最終年度の決算によるとされています。その他にも色々と規制が有り、結果としてマザーズなどに代表されるように、流動性が低く株価が高い銘柄が増えてしまっています。この辺りの詳細については、ナスダックジャパンクラブのWebサイトにある、神田橋法律事務所の石川弁護士によるベンチャー企業の株式流動性の確保、を読んでみると良く理解できるでしょう。

 で結局何が言いたいのかというと、まだまだこの国には規制が有りすぎてどうしようもないですね、ということです。(^_^;)

 現在、上記の件やストックオプション等の話も含めて商法を改正する方向で話が進んでいるようですが、実施されるのは2002年です!
 それだけで2年遅れです。このスピード経営の時代に政治がこのスローさでは、国際間競争は厳しそうですね。でもこんな事を嘆いていても始まらないので、その枠の中で知恵を絞って最大の成果を出すように考えていきます。それがベンチャーってモンでしょう。(って言い切って良いのかな・・・?)。

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