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2006年7月23日 (日)

Googleが日本のソフト業界にもたらすもの

 ITproの記事。

"長時間労働,能力や負荷に見合わない報酬や社会的評価など,ソフト技術者の労働環境については暗い話題ばかりが行き交っている。だが,Googleのような企業をお手本として,ソフト技術者の「居心地」を重視する会社が国内に増えれば,少しは改善に向かうのでは,と思う。実際,畑社長は「日本のソフト業界を良くするという気概で臨んでいる」と言う。"
Googleが日本のソフト業界にもたらすもの:ITpro

 うーん、中々どころか相当難しい問題である。もちろん、私自身もサイボウズ・ラボ畑社長と同じく「日本のソフト業界を良くするという気概で臨んでいる」つもりだが、単純に「GoogleやMSの労働環境って本当に素晴らしいですね」と手放しで誉める気にはならないのが正直なところだ。シリコンバレー在住の渡辺さんが、この辺も含めて現地の様子を面白く綴ってくれているが、シリコンバレーでは全体的にエンジニアの給与が高いそうである。平均すると、年収1600万円超とのこと。しかしながら、事はそう簡単ではないのだ。以下の文章を見てみよう。

"ハーバードMBAとUCLAのエンジニアリングの学位を持ちながら、職が見つからずフィナンシャルアドバイザーの資格を取った人の話もでてくる。漠然とした能力じゃなく、求められている条件にぴったりのスキルが求められるわけです。 In our industry, being an active learner is really key. ということで、一生学び続けるつもりがない人は、業界構造が変わるたびに振り落とされていくわけ。 そこで残った人の平均年収だからシリコンバレーの収入は高いと、そういうことなのでありました。No pain, no gainですか、やはり。。。"
On Off and Beyond: シリコンバレーの給与水準再び

 要するに、労働分配の問題は原資が限られているのだから、どこにコストを掛けるかということになってしまうのだ。例えるならば、元本保証型の銀行預金のような商品と、リスク型の金融先物のような商品の違いのようなものである。前者はリスクもゲインも低いが後者はその両方共が高い。

 米国における職業とは基本的に長期保証と無縁である。日本とは異なり、別に会社が傾かなくても頻繁にレイオフは行われている。それに対して、国内企業のSEは基本的に労働法制によって長期雇用が保証されている。そのような状況下で、国内企業SEと明日失職するかもしれないシリコンバレーのSEをそのまま比べることは出来ないし、ましてやその中でもトップ企業であるGoogleとでは全く比較にならないはずだ。

 ちなみに、Google日本法人の中途採用条件は以下のとおり。

応募条件:
  • 理工系学科の修士課程修了以上、または最低3年以上のソフトウェア開発経験
  • C、C++またはJavaのいずれかにおける充分なプログラミング知識
  • UNIX/LinuxまたはWindows環境におけるソフトウェア開発能力
  • 技術的なチャレンジを楽しめること
  • 日本語および英語での読み書き、会話が可能であること(TOEIC 700点程度を目安としています)
望ましい経験:
  • コンピューターサイエンス系学科の修士課程修了以上
  • 以下の分野での研究または開発経験
    • 分散システム
    • 機械学習
    • 情報検索アルゴリズム
    • ネットワークプログラミング
    • 大規模ソフトウェア開発
    • 情報検索
    • 自然言語処理(日本語処理)
人材募集  #条件だけ見ると、自分でも何とかなりそうなレベルではあるが・・・

 採用基準が米国と同等だとすると、事実上トップ大学のコンピュータサイエンス博士号を持っているのが最低条件ということらしいのだが、そんな希少な人材の話を一般に拡大してもあまり意味がない。

 尚、国内IT産業においても、個人で請負を行っている高スキル人材は存在しており、収入が数千万円程度ある人も少なくない。米国の雇用形態を見る限り、国内と比較するならばこちらの方が理にかなっているのではないだろうか。

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