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2006年9月13日 (水)

Web2.0というバズワードとロングテール理論

 アルファブロガーで著名な磯崎氏によるエントリー。連載第4回目とのことだが、3回まではロングテールを絶賛しつつ、4回目で若干矛盾したようなロジックを展開中。

"常識的に考えれば、ロングテールで「少量多品種」になれば、効率は悪くなる。つまり、「ロングテールをやればもうかる」のではなく、「絶対的地位の規模を獲得すれば、ロングテール“でも”利益が出せるようになる」と見るのが正しいのではないか。

また、書籍などのマーケットは、日本でも米国でも「縮小しつつある市場」であるという点にも着目する必要がある。右下がりのマーケットでは「バラ色の未来」は描きにくいから、参入したがる者は限られる。

現在のアマゾンが得ているのは、ロングテールによる「新しいタイプの利益」というよりも、オールドエコノミーでも見られる、成熟・衰退市場で絶対的地位を獲得することによる「残存者利益」であり、「古典的なタイプの利益」なのではないだろうか。"

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とのことだが、それは物流を伴う小売業の場合は避けられない命題である。

 そもそもロングテール理論とは、「ロングテールをやればもうかる」のではなく、「ロングテールをやってもコストが上がらない」というところがポイントのハズだ。磯崎氏の連載にもあるとおり、情報産業でデータ流通によって商売が完結するイーベイやオンライン証券、オークションのような事業構造であれば、取扱品目を増やすための投資コストは単純に商品データベースへの登録作業だけになる(ロングテールのテールを扱う場合、トランザクションの増加は無視できる)ので、たとえそこから得られる売上が微小であっても、投資コストがそれよりも小さいので利益を出すことが可能である。

 アマゾンの場合、販売管理費の多くが在庫管理や物流に費やされていることが予想されるので、同じような構造を持つ通販業者と事業構造が似ているのは当たり前だ。ただし、だからと言ってアマゾンがこのままで終わりになるかというと、そんな訳はない。すでにアップルのiTMS(昨日改名してiTSだが)やアマゾンでも実現している通り、デジタルコンテンツ流通は、そう遠くない将来に物理的なパッケージからオンラインに移行していくだろう。

 そうなった場合に、アマゾンは物流や在庫管理コストから解放され、真に「ロングテールの恩恵」を受けることになる。逆にセブンイレブンや丸善が現在のビジネスの延長戦上で展開する場合は、「ロングテールの恩恵」を受けることはないだろう。それを無視して「貧乏ロングテール」と括ってしまうのは、やや乱暴すぎなのではないだろうか。

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