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2007年2月 8日 (木)

「PC-SUCCESS」破綻にみるPCショップの経営リスク(おまけ)

 ついでにちょっと蛇足を。ある人から聞いたことだが、この手の激安PCショップが資金繰りに詰まるきっかけには、「アンダーグラウンドなバッタ屋」の存在があるそうだ。

 「アンダーグラウンドなバッタ屋」とは、主に倒産や夜逃げをしたPCショップや問屋の横流し品を専門に扱う業者のことで、格安で仕入れたブツを手広く売り捌くらしい。何せ真っ当な流通ルートを経由していないブツである。仕入れる側のショップにしてみればとにかく激安らしく、セールの目玉商品などを目当てに大量に仕入れることが結構あるそうだ。ところが結果的にこれが大きな落とし穴になってしまうのだ。

 確かに仕入れ値は激安なので、セールの目玉として格安価格で販売しても売れれば利益は大きい。但し、この手のバッタ屋からの仕入れは「全て現金」が基本である。大きな差益を狙って大量に仕入れるためには、ただでさえ苦しい資金繰りを悪化させて現金払いをしなければならない。堅実な経営者ならば、いくら売れれば大きな利益が出るといっても、キャッシュポジションを落とすリスクを犯してまで、バッタ品を仕入れようとは思わないだろう。

 しかしながら、経営が傾きかけている経営者はちょっと違う。一発逆転の夢を見て、バッタ品を大量仕入れしてしまうことがあるのだ。私も含めてだが、経営者という仕事は常に自分の決断に自信を持ていなければやっていられない職業である。当然、自分がコレと睨んだ(コストパフォーマンスが高い)良い商品であるから、大量に仕入れてもすぐに捌けると思ってしまう。ショップの基本は現金売りなので、「ちょっとぐらいキャッシュポジションが下がっても、ブツを店頭で売り切ればすぐに現金は取り返せる。」となり、魔が差してしまう。

 もちろん、経営者の狙い通りにブツがサクサクと捌ければ何の問題もない。一旦下がったキャッシュポジションは、直ぐに元の位置よりも(利益の分だけ)少し上まで戻るだろう。ところが、世の中は往々にして賽の目が逆に出るものだ。経営者が自信満々で仕入れたブツがさっぱり売れないこともままある。そうなると、大きく利益を稼いで一発逆転となるはずだったブツが、ただの不良在庫と化してしまう。また、ブツを仕入れる相手は「アンダーグラウンドなバッタ屋」である。中には取り込み詐欺的に問題があるブツを混ぜ込んでいたり、金だけ持って逃げるような輩もいる。

 そんなこんなで一旦目論見が外れると、後は資金繰りがますます苦しくなって沈んでゆくお定まりのコースに突入することになる。私が聞いた人によると、結構大きく育ったショップでも、こんな何気ない取引一つで黒字倒産してしまうそうだ。資金繰りには細心の注意が必要なのはもちろんだが、明日は我が身と思うと単純に経営者を責めることも出来ない。やはり経営とは難儀なものである。

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