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2009年4月

2009年4月24日 (金)

ロイターがこんな記事を

配信しちゃダメでしょう。だから、皆が勘違いするんだよ。

米国政府ではビッグスリーのSOSに応じて次から次へと救済策を打ち出している。しかし、そんなビッグスリーの姿勢は「盗人猛々しい」としか言いようがない。そもそも、この状況で会社が存続していたことが不思議なのだ。見せかけの好景気のなかで自動車がそこそこ売れ、経営陣がそれに甘んじていたのが、今日の結果である。潮が満ちているときには見えないが、潮が引けばボロが出る。景気がいいときにこそ、先に手を打つことが重要なのである。

トヨタはそれができた。だからこそ、持ちこたえているのだ。そして、不景気のときに強いのは、トヨタのように潤沢なキャッシュを持っている企業である。いい物件を安く買うことができ、設備投資も有利に進められる。優れた人材の採用もできるからだ。
ビッグスリーより強固なトヨタの財務体質

著者は公認会計士ということだが、トヨタの財務諸表を読んで書いているとは思えないですね。売上高20兆円、キャッシュ2兆円(2008年3月期末)のどこがキャッシュリッチなのか。キャッシュリッチとはMicrosoft、Google、任天堂のような企業のことを言うのであって、トヨタをはじめとする自動車メーカーでキャッシュリッチな企業など存在しません。

また、ビックスリーの経営を評して、「見せかけの好景気のなかで自動車がそこそこ売れ、経営陣がそれに甘んじていたのが、今日の結果である。」とは、トヨタさんも耳が痛いでしょうね。

いずれにせよ、マスコミ界隈のトヨタ信仰は異常とも言えます。もっと現実を見るべきでしょう。

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2009年4月14日 (火)

トヨタに関する不吉な予測

先週末でしたか、日経がトヨタの二期連続赤字予想を報じました。

トヨタ、2期連続営業赤字の公算 販売700万台割れへ

 トヨタ自動車の2010年3月期(米国会計基準)は、本業のもうけを示す連結営業損益が2期連続で赤字になる見通しだ。世界的な景気悪化で自動車販売が低迷するうえ、円高で輸出採算も厳しく、赤字幅は5000億円超となる可能性もある。連結販売台数(日野自動車、ダイハツ工業を含む)は650万台前後と、6年ぶりに700万台を下回りそうだ。

 生産体制の見直しや合理化を強化し、11年3月期の黒字回復を目指す。(12日 10:07)
トヨタ、2期連続営業赤字の公算 販売700万台割れへ

2010年3月期の連結営業利益が5000億円超の赤字の可能性ということですが、市場コンセンサスは現時点で4400億円の赤字となっており、GM破綻問題とも絡んでもっと悪化する可能性の方が高いと思います。以前からの指摘どおり、こうなると焦点はキャッシュが保つかどうかになるでしょうね。2008年3月期末時点でキャッシュが2兆円くらいしかありませんので、2009年3月期営業利益が-5000億として、2010年3月期にも5000億超の赤字だと、運転資金も加味してキャッシュポジションはかなり厳しくなるハズです。

トヨタが抱える問題は、一言で言うと「需要を大幅に超える供給(生産)能力を持ってしまった」ことです。

グループ全体で生産能力が1000万台/年のところに、2010年度の販売予測が650万台ということですから、需給ギャップは実に350万台にも達します。これは実需である650万台の過半を超える規模であり、ものすごい供給過剰状態です。これを根本的に解決するには大規模なリストラクチャリングしかありませんが、通常リストラには割増退職金などのものすごい追加コストが発生しますので、生き残るために行うリストラが、少ないキャッシュをさらに減らして行くという嵌まりパターンに陥ります。

正直、ここまでくると、

  • アメリカ市場が短期間で奇跡の復活を遂げる
  • (中国以外の)エマージング市場で急激に販売が増加する

などが起こらないと脱出は難しく、ひょっとすると既に詰んでいるかもしれません。

他の自動車メーカーも苦しいことは苦しいのですが、実は日系下位メーカーの販売はそれほど落ち込んでおらず、(日産はともかく)ホンダは例によって二輪と汎用が稼いでいるので何とか凌げている状態です。

トヨタだけが特別に苦しいのは、ここ数年の自動車バブル時に大幅な設備投資を進めてしまった反動がカウンターで返ってきているからで、実は2010年度販売予測の650万台という数値は、2004年度販売実績(670万台)と同程度のものであり、同年度の営業利益が1.66兆円ということを考えると、本来ならば十分に利益が出てもおかしくない数値です。

トヨタの販売台数推移

もちろん、2004年から比べて大型SUVなどの粗利が高い車種が売れる現状ではないので、利益の単純比較は難しいのですが、少なくともトヨタ経営陣によるこの6年間の経営方針が、今回のダメージを生んでいることは間違いありません。

さて、名実共に世界一となったトヨタは、果たしてこの絶体絶命の危機を乗り切ることが出来るでしょうか?

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