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2010年11月18日 (木)

アジア版NATOへの動きが始まっている様子

先週末の土日と、昨日から本日にかけて連続で出張したせいか少し疲れました。折を見て代休を取ってリフレッシュしたいところです。

さて、右傾化エントリから始まって武器輸出関連を追いかけていますが、年末に向けて具体的な緩和策が浮上して来ているようです。

武器輸出を事実上全面禁止している「武器輸出三原則」見直しをめぐり、政府が、米英などのNATO加盟国や韓国、オーストラリアの計19カ国を対象に、戦闘機などの共同開発を可能にする緩和案を検討していることが12日、分かった。共同開発国に関する新基準も策定する方針。年末の「防衛計画の大綱」改定に合わせ、緩和策を公表する方向で調整している。
武器輸出三原則 19カ国対象に緩和を検討 年末に公表で調整

まずは対象国が26カ国の「ホワイト国」に限定するという条件が付いていますが、将来的に国を挙げての宇宙・軍事産業振興に向かうのは、もはや規定路線でしょう。

そもそも「武器輸出三原則」というのは、当初冷戦時代のCOCOM(対共産圏輸出統制委員会)対応の自主規制として佐藤内閣の国会答弁から始まったもので、冷戦終結後もこれまで継続したのは、米国の対日封じ込め戦略があったからだと言われています。それがここに来て一気に緩和の方向に舵を切ったのは何故でしょうか。

それはやはり米国の対中政策が大きく転換したことにあると思います。特に、中国を中心とする上海協力機構を牽制し、軍事同盟国による封じ込めを推進する「アジア版NATO」戦略について、オバマ政権が本気で模索し始めた表れではないでしょうか。

この「アジア版NATO」については、10月8日に新華社がWeb版で記事を配信しています。

このようにアジア太平洋地域でしきりに軍事力を誇示する米国の姿勢に、海外では憶測が流れている。ある専門家は「米国は太平洋に沿って、東南アジアから北東アジアまでつながった、中国に対するC型包囲網を形成しつつある」と考えている。また、外国メディアは「米国は天安事件や釣魚島での中日船舶衝突事件を利用して、中国を包囲し、この地域における影響力を強化しようとしている」と指摘する。
米国はアジア版NATOを創設して中国を包囲するのか?

また、中国側も尖閣諸島問題の思わぬ余波として、真剣に憂慮し始めている様子です。

このままでは米国の反感を買うことになり、中国が「反中」で包囲されることを懸念している。米国とASEANの関係も修復され、中国封じ込めに動くのではないかとの見方もある。米国としては、日本、韓国と緊密な関係を再構築し、アジア版NATOをつくることも検討している。その場合、日本は重要な位置を占める。
中国が「包囲網」恐れ方針転換へ、対日政策も妥協か=米国はアジア版NATO検討―中国事情通が明かす

詳細は本文を読んでいただくとして、この対中「アジア版NATO」を念頭に置いた場合、日本の地政学的重要性がより増してくるのは、疑問の余地がありません。ここ最近、日本の宇宙・防衛関連産業の輸出に関するニュースが目立ってきているのも、恐らく米国の後押しがあることと思われます。

菅直人首相は31日午前(日本時間同)、ハノイ市内でベトナムのグエン・タン・ズン首相と約1時間40分会談した。両首脳はベトナムにあるレアアース(希土類)を共同開発することで合意。ベトナムが国内で進めている原子力発電所2基の建設を日本側が受注することも決まった。政治・外交に加え防衛・安全保障面を含む日越戦略的パートナーシップ対話を12月に始めることでも一致した。
レアアース共同開発に合意 日本・ベトナム 原発事業も

11月14日(ブルームバーグ):トルコは同国初の原子力発電所建設をめぐる協議に応じるよう東芝プラントシステムに要請した。韓国との交渉が不調に終わったことを受けたもので、トルコ紙サバハがユルドゥズ・エネルギー天然資源相の発言を引用して報じた。
トルコ:初の原発建設、東芝プラントシステムと交渉へ-サバハ紙

東芝は2006年に米ウェスチングハウス社を買収していますが、もちろんこれは米国政府の承認がなければありえません。また、ベトナム原発案件では、第1期工事で武器輸出とセットにしたロシアに敗れておりながら、第2期工事では一転して急遽受注となったものですが、果たして本当に日本外交のみの成果なのか?

NECは16日、人工衛星のエンジン製造で世界首位の米エアロジェットと提携し、新エンジンの共同開発に着手したことを明らかにした。小惑星「イトカワ」の微粒子を持ち帰ることに成功した探査機「はやぶさ」のエンジンを開発した技術力を武器に、海外市場の開拓をねらう。
NEC、米大手と衛星エンジン開発へ はやぶさ技術ウリ

米エアロジェット社もバリバリの軍需産業です。

今回のアジア歴訪で、オバマ大統領がインドの国連常任理事国入り支持を表明したことも、やはり「アジア版NATO」の布石と言えるでしょう。ちなみに上海協力機構の構成国を見てみると、これらの動きが非常に良く分かります。

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日本、ベトナム、インド、トルコ・・・、見事に上海協力機構を包囲しています。特にインドは上海協力機構にオブザーバー参加しているため、仮に米国陣営に本格的に引き込めれば、中国側のダメージは非常に大きなものとなる筈です。

さて、日本はこのパワーバランスの変化に上手く適応し、再び経済及び軍事プレゼンスを向上させることが出来るのか。我が国にとって非常に重要な時期に差し掛かっていると思います。

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