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2010年11月 5日 (金)

現状ではTPP不参加の方が得策ではないか

11月の横浜APEC開催を前にTPP(Trans-Pacific Strategic Economic Partnership Agreement:環太平洋戦略的経済連携協定)の参加是非を巡って日本が揺れています。

最近、日印間で締結合意されたEPA(Economic Partnership Agreement:経済連携協定)や、欧州韓国間で締結されるFTA(Free Trade Agreement:自由貿易協定)とTPPとの違いは、

  • FTAが主に関税撤廃や貿易の自由化を基本としているのに対して、EPAやTPPはもう少し広範囲の戦略的協力関係を中心においている
  • TPPはEPAの一種で、貿易自由化以外にも金融、知的財産権、政府調達、観光、労働の流出入など幅広い分野で経済連携を目指す
  • 日印EPAや欧韓FTAは、農業など一部の適用除外分野を設ける方向だが、TPPは原則的に2015年までの全ての商品に対する関税撤廃と貿易自由化を目標とする
  • TPPは交渉が複雑になりがちな多国間協定である

というところです。

日本の場合、例によって例のごとく、菅首相が所信表明演説でいきなり参加検討を表明したことで与党民主党を二分する議論に発展し、民主党小沢グループを中心に「TPPを慎重に考える会」という与野党議員120人の勉強会を発足させる結果となりました。

さて、この賛否両論のTPP参加是非ですが、個人的に「現時点では不参加の方が得策」と思います。その理由は「軍事力も含めた日本のポリティカルパワーが不足している」からです。現状でも参加表明国が10ヶ国あり、非適用分野の調整などは相当複雑化すると思われますが、日本の場合は農業、金融、労働(外国人労働者)などの分野において十分に準備が出来ていないだけでなく、外交的な交渉力も十分ではありません。

このような国のあり方を変えるような議論は時間を掛けて進めるべきで、単純に静的なGDPの増減で計るのではなく、過渡期の社会的影響についても十分に考慮する必要があると思います。

例えば、貿易相手国の関税撤廃によって有利になると言われている輸出産業では、日本国内への輸入関税も撤廃されるため、新興国で生産して逆輸入するコストメリットが増大します。そうすると、国内の空洞化がますます促進されることとなり、製造業の雇用は大きなダメージを受けるでしょう。また、既に日本の主力産業となっているサービス業においても、外国人労働者の労働ビザ取得などが容易になり、日本人労働者の賃金が低下したり、雇用が削減されたりする結果を生むと思われます。

このような事態に対応するセーフティネットを整備すること無く、闇雲に自由化を進めるのは極力避けるべきであり、「窓(参加機会)が閉まるから」、「米国も参加するから」という安易な理由で進めることには反対です。

特に米国の場合は、TPPへの参加を表明する一方で、同時に保護主義的な政策も進めており、上手く立場を使い分ける気配が濃厚です。日本の場合も、米国のようなしたたかな戦略を以て、事前に万全の準備を進めた後に事に当たるべきではないでしょうか。

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経済・政治・国際」カテゴリの記事

コメント

>>日本人労働者の賃金が
低下したり、雇用が削減
されたりする結果を生む

初めまして コメント
させていただきます

TPPによって
雇用が流動化する
可能性があるんですね
民主党には 国士は
いませんから
大変不安に思っています

投稿: 躊躇 | 2011年3月22日 (火) 09時05分

コメントありがとうございます。

現在の菅政権が物事を深く考えていないのか、それとも親米が行き過ぎているのかは分かりませんが、日本国内の事情をあまり考えていないのは確かです。

まあ、今回の震災でTPPも吹っ飛んだでしょうが・・・

投稿: miyoshi | 2011年3月23日 (水) 12時41分

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» TPP及びFTAAP推進に潜む“罠”-II ─雇用も崩壊させる“存在価値無き”売国政権─ [漆黒ノ軍皇]
 TPPと言うと、関税撤廃の事だけが問題視されるが、実際は遥かに大きな問題を孕んでいる。それは不況に喘ぐ日本国家を根底から揺るがすものであり、決して見逃してはならないレヴェルである。  では、再確認の為、TPPの概要を此処に示す。 環太平洋戦略的経済連携協定【TPP:Trans-Pacific Strategic Economic Partnership Agreement】  加盟国間の経済制度、即ち、サービス、人の移動、基準認証などに於ける整合性を図り、貿易関税については例外品目を認め... [続きを読む]

受信: 2010年12月 4日 (土) 02時28分

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