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2010年12月10日 (金)

忍び寄るコストプッシュインフレ

11月のCGPI(企業物価指数)が発表されました。

 日銀が10日発表した11月の国内企業物価指数(2005年=100、速報)は103・0と前年同月比で0・9%上昇し、2カ月連続でプラスとなった。

 ただ、たばこ税の引き上げが大きく影響しており、日銀は「企業物価の本格的な底入れには、まだ時間がかかる」とした。前月比は0・1%のプラスだった。

 原油など素材価格の上昇や、外国為替市場で円がやや値下がり方向に振れたことも寄与した。

 たばこを含む加工食品は前年同月比で2・7%値上がり。鉄鋼は同8・8%、石油・石炭製品は5・5%上昇した。半面、厳しい販売競争が続いていることを背景に、情報通信機器は6・4%、電気機器は3・8%の値下がり。

 輸出物価指数(円ベース)は3・1%下落。輸入物価指数(同)は3・9%上昇した。
企業物価、2カ月連続上昇 11月

前月に引き続き、表向きの原因は「たばこ税」とされていますが、タバコが含まれる加工食品の上昇が2.7%なのに対して、鉄鋼は8.8%、石油・石炭製品は5.5%上昇していることを考慮すると、原材料価格上昇の方が大きく寄与していると思われます。

実際に工業原料である銀とパラジウムのNY市場チャートを見てみると、半年前の7月初旬からそれぞれ、銀が56%、パラジウムは77%も上昇しています。

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また、ここ最近の各国国債の暴落により政府調達金利は上昇してきており、米国債30年物の金利が4.4%、同10年物も3.2%を突破してきました。

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原材料の値上がりと金利の上昇とくれば、「インフレ」しかありません。

日本にとって苦しいのは、「為替トレンドが円安に反転すれば経済は好転する」という、製造業を中心とした楽観シナリオが成り立ち難くなってきたことです。このまま原材料高が継続すれば、製造業では製品価格に転嫁せざるを得ず(鉄鋼は既に来期の値上げを決定)、各国の消費が弱まっているところにダブルパンチの様相を呈してきます。トリプル安だけは避けたいところでしょうが、可能性としては在り得るでしょうね。

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