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2011年6月

2011年6月24日 (金)

中国の混迷と中国包囲網

先日開催された日米2プラス2の会談において中国の海洋進出に対して名指しで批判したことは、昨年方針転換した米国の対中戦略をより鮮明化するものだったと思います。

【ワシントン西田進一郎】クリントン米国務長官は2プラス2で、南シナ海での海洋進出を強める中国について「地域に緊張をもたらしている」と名指しで批判した。松本剛明外相も「中国は東シナ海、南シナ海で摩擦を生じさせている」と指摘。2プラス2後に発表した共通戦略目標の文書では、中国への直接的な批判は盛り込まれなかったが、会議では双方が名指しで強い懸念を示していた。

 今回の2プラス2で本格的に改定した共通戦略目標は、中国に「国際的な行動規範の順守を促す」と促しつつ、「(海洋)航行の自由」やサイバー空間の保護については名指しを避けていた。
日米2プラス2:クリントン米国務長官、中国を名指し批判 海洋進出で地域に緊張

これは以前のエントリで指摘した「アジア版NATO」構想に繋がる動きと見て良いでしょう。米国の目的は、ベトナムとフィリピンの反中姿勢に対して側面支援することであり、まさにこれと呼応する形でベトナムはスプラトリー諸島で実弾軍事演習を行っています。

 【バンコク=古田秀陽】ベトナム海軍は十三日、中部クアンナム省沖合の南シナ海で実弾演習を行った。AFP通信が伝えた。同海域には中国などと領有権をめぐり対立する南沙(英語名スプラトリー)諸島があり、ベトナム側は先月下旬から自国の石油探査船に対し中国の妨害活動が相次いでいると主張。演習は中国をけん制する狙いもあるとみられ、両国間の緊張がさらに高まる恐れがある。

 またベトナムの首都ハノイと南部ホーチミンでは十二日、中国大使館前などで五日に続いて市民らが抗議デモを実施。共産党独裁体制のベトナムが二週連続のデモを容認したのは極めて異例だ。
南シナ海で実弾演習 ベトナム

また、一度は国会で否決されたベトナムの新幹線導入プロジェクトが息を吹き返しそうなのも、この中国包囲網と無関係ではないでしょう。

 日本を訪問しているベトナムのグエン・スアン・フック官房長官は8日夜、都内のホテルで
日本経済新聞と会見した。

 日本の新幹線方式採用を目指して「南北高速鉄道」の整備計画を修正し、国会に再提出する
意向を表明。日本企業が参画を目指す大規模事業が再び動き出す可能性が出てきた。

 フック氏は政府機関の調整役としてズン首相が主導する経済改革路線を支え、1月の共産党大会で
最高指導部である政治局のメンバーに昇格。
 国家主席(大統領)や首相などのポストも視野に入れる次期副首相の有力候補とみられている。

 南北高速鉄道は首都ハノイと南部の商都ホーチミンの1570キロメートルを約5時間半で結ぶ計画。
 国会は昨年6月に「事業費が大きすぎる」などとして日本方式とする案を否決したが、フック氏は
「計画が完全に否定されたわけではない」と指摘。

 国際協力機構(JICA)の4月からの事業化調査終了を待って修正案を出し、改めて承認を求める考えを示した。
ベトナム首脳「鉄道計画を修正」 日本の新幹線復活も フック官房長官が表明

その中国は、スプラトリー沖でベトナムに嫌がらせをするだけでなく、最近ではロシアの監視船も威嚇しており、自らの覇権志向を隠さなくなってきていますが、その一方で従来では考えられないような内部告発が行われており、もしかしたら国内の権力闘争が激化しているのかもしれません。

 6月末に開業する北京・上海高速鉄道の最高時速が350キロから300キロに引き下げられた原因について、中国鉄道省元幹部の周翊民氏は安全問題があったと明らかにした。中国経済紙の21世紀経済報道が22日までに報じた。汚職で更迭された劉志軍・前鉄道相が世界1位に固執し、安全性を損なっても速度を優先して350キロに無理に設定したと話した。

 高速鉄道の技術について、鉄道省は自主開発したとしているが、周氏は日独の技術だと指摘。350キロで走行して事故を起こした場合、日独メーカーは責任を負えないと表明しており、鉄道省も自前で解決できないとの見方を示した。
中国版新幹線の最高速度下げ「安全に問題」 元幹部が暴露

悪化する一方の国内インフレ問題もありますし、2012年には国家主席交代も予定されています。ここしばらく中国は揺れ続けるのでしょうか?

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2011年6月23日 (木)

VVAULTの進捗について

現在、リリース後初のメジャーバージョンアップである2.0開発と平行して、WHS2011とSBSeのダッシュボード対応を進めており、最近になって漸く目処が立って来ました。来週に1.2をリリースした後で、ダッシュボード対応アドインを含む1.3βをリリースする予定で進めていますので、WHSユーザの方は是非こちらのβテストにもご参加ください。

ちなみに、私が現在把握しているところでは、他社アドインに比べて統合レベルはかなり高いと思います。実は某社からもお声掛けいただいていますし、英語版作ってワールドワイド展開を考える良いタイミングかもしれません。

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2011年6月17日 (金)

中国経済綱渡り

ブルームバーグに、中国の住宅関連需要が落ち込んできているという記事が掲載されていました。

6月17日(ブルームバーグ):中国・北京の金物店、海洋裝飾では、塗料やアルミサッシの売れ行きが鈍っている。個人消費が鈍化し、内需拡大を目指す政府の目標が挫折しかけていることを示す兆しの1つだ。

金物店の店主は「ピーク期は過ぎ去ったようだ」と語る。昨年は1日当たり最高4000元(約5万円)に上った売上高は、政府が住宅価格の上昇抑制策を強化してからは3000元程度に落ち込んでいるという。

北京の金物店の窮状は、温家宝首相にとってのジレンマを浮き彫りにしている。首相が推し進めるインフレ抑制策が、内需主導型経済への移行に向けた取り組みを損なっているのだ。中国経済は輸出や投資支出への依存を減らすことができず、外需や資産ブームの動向に左右される状態が続いている。
中国:頼みの綱の個人消費が鈍化、頭打ちか-内需型経済への移行難航

売上がピーク時の25%減とは結構な減少幅です。当然、住宅着工数や販売数に連動していると見てよいと思います。にも関わらずCPIは上昇を続けており、インフレ抑制策がインフレを退治出来ていないのに、内需を萎ませる効果だけは発揮しているというように考えられます。

本来ならば大幅人民元高を許容すべき段階に差し掛かっていると思われますが、現段階では中国政府にその意思がないようです。

また、本文中でも指摘されていますが、中国国民からは物価に比較して預金金利が低すぎるとの不満もあるようで、ここから先の金融政策はさらにタイトな綱渡りを強いられるでしょう。

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2011年6月14日 (火)

中国のお尻に火がついている件

ここのところ色々忙しく、しばらく更新が滞っていましたが、久しぶりの中国ネタで再開します。きっかけは、サーチナのこんな記事でした。

 米ボストン・コンサルティング・グループ(BCG)が発表した世界各国の資産状況に関するレポートによれば、100万ドル以上の資産を有する中国の世帯数が、ドイツを上回るなど、中国国内で資産家が急増していることが分かった。しかし一方で、世帯間の所得格差を表すジニ係数は警戒ラインを突破するなど、格差の拡大が深刻となっている。新浪網が伝えた。

中略

 しかし、これとは対照的に、中国の国民1人あたりの平均収入は、先進諸国にはるか及ばない。国家統計局の統計によれば、2010年の中国の平均年収は13,476人民元、このうち農村部では5,919元となっている。加えて、インフレが低所得者層を苦しめている。世界銀行の統計によれば、同年の中国のジニ係数は0.47と、30年前の約2倍に達している。これは、社会の動乱を引き起こす可能性がある警戒ライン0.4をすでに超えている。
中国のジニ係数、警戒ラインを突破、30年前の2倍

ジニ係数とは統計学的に社会における所得分配の不公平性を測る指標で、所謂先進国では概ね0.4以下になるとされているものです。ちなみに、先進国でもっとも富の偏在が大きい米国で0.38程度(2000年)、最近格差が拡大していると言われている日本の場合は0.33程度(2005年)で推移しています。

これに対して、中国のジニ係数は世銀統計で0.47とされており、暴動が頻発したり、革命が発生すると言われている水準の0.5に到達してきています。案の定、その後にこんな事件が発生していました。

 中国・広州市郊外で大規模な暴動が発生した。加わった人数は1000人に達し、警察車両を次々に破壊。建物に押し入って設備をたたき壊す映像もインターネット上に投稿されている。

 北アフリカのチュニジアで起き、中東に連鎖した「ジャスミン革命」と名付けられた民主化運動を、中国でも実現しようと先導するグループも、今回の暴動の様子を執拗に発信している。
広州で1000人規模の大暴動発生 パトカー次々と破壊し、建物に乱入

この動画は昨日のニュースで見ましたが、パトカーがひっくり返されたり器物が破壊されただけではなく、手当たり次第に街へ放火したりしており、明らかにデモの一線を越えて暴徒と化していました。

まあ、中国では報道されないだけで年間1000件以上の暴動が発生しているとする説もあり、暴動はある種の日常茶飯事であることも事実です。しかしながら、今回の暴動には従来と大きく異なる点があります。それは発生した場所と暴れた人達です。

少し前にも、内モンゴル自治区で250人規模の暴動が発生していましたが、従来の暴動が新疆ウイグル、チベット、内モンゴルなど、辺境の少数民族地域で発生した民族紛争的運動だったのに対して、今回は広州という漢民族の大都市で発生しています。また、暴れた側も地方の出稼ぎ労働者ではありますが、れっきとした漢民族です。

記事の本文によると、暴徒が向かった先は広州の高級住宅街だったとのことで、明らかに「漢民族 対 漢民族」の闘争が表面化した事件だと言えるでしょう。これは事態の新しい局面です。

そしてその中国では、政府が躍起になって押さえに掛かっているにも関わらず、一向にインフレが収まりません。

 6月14日(ブルームバーグ):中国の5月の消費者物価指数(CPI)は前年同月比5.5%上昇と、約3年ぶりの高水準になった。4月は5.3%の上昇だった。同月の工業生産もエコノミスト予想を上回る伸びを示し、追加利上げ圧力が持続することとなった。

CPIの5.5%上昇はブルームバーグが集計したエコノミスト予想の中央値と一致した。5月の工業生産は13.3%増となり、市場予想の中央値(13.1%増)を上回った。固定資産投資の伸びも加速した。中国国家統計局が14日発表した。
中国:5月CPI、前年比5.5%上昇に加速-約3年ぶり高い伸び

それもそのはず、1-5月の都市部固定資産投資(つまり不動産投資)は、前年同期比で25.8%も増加しています。政府が懸命に土地バブルにブレーキを掛けているところに、民間はガンガンアクセルを踏んでいる状態なのです。完全に投資資金が暴走しています。

その結果、食料品などの貧困層を直撃する物価が上昇し、年率20%程度で伸びている給与でも追いつかない程の高騰を見せています。貧困層にしてみれば、富裕層が不動産投資で大きく儲けてホクホクなのに対して、自分たちは煽りを食らって困窮する形となっており、恨みもひとしおというところでしょう。

ところが都市住民の殆どは、この貧困層の「恨み」に全く気付いていません。試しに家内にこのニュースを教えたところ、「生活できないなら田舎に帰ればいい」とか軽く言っていて、とっさに「ヲイヲイ、低所得の出稼ぎ労働者がいるから、都市住民の生活レベルが維持できるんだろ」と反論したのですが、よく考えてみれば、上海人の殆どは家内と同じ思考だということに思い至りました。

そうなんです。(私の知る限り)中国人というのは徹底的に個人主義、血縁主義であって、親戚でもない赤の他人のことなど微塵も気にしていません。ということは、中国がこの問題を所得分配によって解決することはあり得なく(都市住民が拒否するため)、この騒乱はどんどん大きくなる可能性が高いということです。

世界経済が失速気味の昨今、中国は内政の不満を外敵(南沙諸島問題や尖閣諸島問題など)に向ける方向に舵を切っており、東アジアで武力紛争が発生することも、少しは意識しておく方が良さそうですね。

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2011年6月 5日 (日)

民主党って帝愛グループだったんだ

菅さんのあまりに外道な作戦に対して、党内で逆に包囲網が迫ってきているためか、側近があわてて火消しに走っているようです。まずは安住国対委員長。

 民主党の安住淳国対委員長は4日、菅直人首相の進退について「早晩、重大な決断をすると思う。夏を区切りにするというのは一つある」と述べ、今夏中には退陣するとの見通しを明らかにした。内閣の要である枝野幸男官房長官も同様の認識を示唆、政権中枢で「今夏中」の首相交代で事態を収拾する動きが広がった。岩手県の達増拓也知事も被災地の立場から、「一日も早い」辞任を要求。退陣表明しながら具体的な時期を明言しない首相の判断が焦点だ。
今夏中の退陣、政権中枢で拡大=民主国対委員長が表明-首相の判断焦点

そして、枝野官房長官。

 (首相が民主党の)代議士会で言った通り、震災(対応)に一定のめどを付け、そう遠くない時期に若い世代に責任を引き継ぎたいという(首相の)思いは重たい。首相という重い責任を今担っているという文脈の中で言っているので、(地位に居座る)気持ちは全くない。(退陣が)そんなに遅い時期であるというのは、誰がどう聞いてもない。
 首相の(記者会見で述べた福島第1原発の)冷温停止の話は、(辞める時期のめどでは)ないことははっきりしている。
 (退陣が)何月何日なのかは、(政策遂行上)本当に辞める直前までは自分の口から言えないのは、首相の責任、立場として当然だ。ただ、そんなに長く居座るような気持ちは首相には全くないと思う。
枝野官房長官の発言要旨

う~ん、何とも苦しい口上ですね。それに肝心の菅総理本人は、早期退陣を諭しに行った石井氏にこんな事を言っており、辞める気は全然なさそうです。

 菅直人首相は4日夜、民主党の石井一副代表と首相公邸で会談した。この後、石井氏は記者団に対し、会談で首相が復興基本法案、特例公債法案、2011年度第2次補正予算案を「やり切る」と述べたことを明らかにした。
2次補正「やり切る」=菅首相

これはどう聞いても、「まだまだ辞めない」発言にしか聞こえません。同じ事象の記事でも、何故か毎日新聞だと「8月までに退陣」とかの見出しになっていますが、そもそもこの人達は、はなから国民のことなんて考えてない左巻き連中なので、相手にする方がバカバカしいですよ。先日の茶番劇だって、現執行部肝煎りの演出だったらしいですし。

 内閣不信任決議案否決に大きく響いた菅直人首相の「退陣発言」。その作戦は、採決を翌日に控えた1日夜、民主党の岡田克也幹事長や枝野幸男、仙谷由人正副官房長官ら政府・民主党の幹部10人で練られたものだった。採決前の舞台裏を追った。

中略

 「造反が40~50人なら厳しく処分すべきだ」。岡田氏らの会合では強硬論が相次ぎ、結局、賛成者を即日除籍(除名)する「小沢切り」の方針を決定。その一方、造反者が、衆院の過半数を失わない66人までにとどまるよう、ぎりぎりまで努力することを確認した。
 岡田氏らは、そのための作戦を協議。被災地の状況から衆院解散は困難との思いは共有していたが、「けん制のために解散風を吹かせる」として、採決が予定されていた2日の衆院本会議後に臨時閣議をセットすることが決まった。「解散を決める閣議ではないか」と連想させるためのものだった。
 さらに、「造反予備軍」の軟化を誘う手段として、採決前に菅直人首相が「退陣」をほのめかす案が出され、2日昼の党代議士会で首相が発言する内容の調整に入った。内容は最後に首相が筆を入れた上で、同日朝に芝博一首相補佐官から岡田氏らにメール送信された。
「退陣」ほのめかし、前夜作戦=不信任否決の舞台裏-民主執行部

前に書いた通り、こうなってしまったら、もう誰も彼らの話を信じません。上記の「8月退陣説」だって、世間からは早速、「今年の夏とは言っていない」とか、「書面には書いていない」とか揶揄されています。私もこの話を聞いた時、脳裏にこの有名な漫画のセリフが浮かびました。

辞める・・・・・・!
辞めるが・・・
今回 まだ その時と場所の
指定まではしていない

そのことを
どうか諸君らも
思い出していただきたい

つまり・・・
我々がその気になれば
辞任するのは
10年後 20年後ということも
可能だろう・・・・・・・・・・ということ・・・・!

というわけで、菅政権の第2次補正予算は「ペリカ」建てでお願いします。(明日ゴルフだ、もう寝よう)

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2011年6月 3日 (金)

なるほど、田中さんが正しいのかも

今回の不信任回避の顛末について、菅、鳩山両氏を良く知る田中秀政氏がコメントしています。

 首相は、たとえ不信任案が可決されても解散ができなかった。否決されても政権基盤が急速に弱まる。それで“渡りに舟”に乗り込んだのだろう。

「衆議院を解散」、「造反者を除名」とこぶしを振り上げても、その効果がないと知るや土下座する道に変わった。そして土下座の効果が出たら、また以前の姿に戻る。その繰り返しではないか。
菅首相「あいまいな退陣表明」に秘められた意図

「喉元過ぎれば熱さ忘れる」ではないですが、その場が凌げるのであれば、土下座でも何でも平気でやるのが菅さんなのかもしれません。そしてその後は、全て無かったことにする。

但し、今回の凌ぎ方がいささか外道過ぎたためか、これまで支援してきた朝日新聞などからも叩かれそうな気配です。個人的には最大1ヶ月程度延命しただけにしか思えませんが、その後も菅さんは生き残れるのでしょうか?

この次は、鳩山さんも小沢さんも、そして今日中間派だった人達も、菅さんを一切信じないと思いますよ。そしてその先に待っているのは、きっと凄惨な結末だと思います。

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2011年6月 2日 (木)

枝野さんから聞いてない宣言

何かハシゴ外された人が叫んでいるようです。

 [東京 2日 ロイター] 枝野幸男官房長官は2日の臨時閣議後の会見で、菅直人首相から、被災地の観点から震災対応を引き続きしっかり行うよう指示があったとした。また内閣不信任決議案が否決された経緯について、鳩山由紀夫前首相と菅直人首相との会談で何らかの合意があったのではないかとみられていることに関し、否定的な見方を示した。「首相と前首相の話し合いは何かを決定する場ではない。決定したとは承知していない」と述べたうえで、「党の機関としては両院議員総会とか常任理事会がある。内閣としては閣議などが決定する場だ」との考えを示した。また、文書が交わされたとされていることについて、「(菅首相が)鳩山前首相から文章をいただき、確認したということ。合意というものではない」との見方を示した。
首相と前首相で何かを決めることはできない、党の決定機関は他にある=枝野官房長官

辞任を否定する声は周辺からだけで、肝心の菅総理がダンマリなのが気になりますね。今夜記者会見するそうですが、まあいずれ真相が分かるでしょ。

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ハシゴを外されたのは誰だ?

昨日のエントリに書いたとおり、不信任案が可決されても否決されても状況は変わりません。菅さんは、もしかしたら緊急避難的に辞任の空手形を切ったつもりなのかもしれませんが、今のところ手形を貰った相手は空手形だと思っていないようです。

 民主党の鳩山前首相は2日、菅内閣不信任決議案が否決されたことを受け、国会内で記者団に対し、菅首相の辞任の時期について「そう遠くない。夏というのは長すぎる」との認識を示した。

 鳩山氏は、「(採決の)直前に菅首相と会って、復興基本法の成立と、第2次補正予算案の早期編成のめどがついた時点で、お辞め頂くことで折り合いがついた」と述べた。
菅首相辞任「そう遠くない」…鳩山前首相が認識

そして、今回鳩山さんに同調して翻意したこの人も、こんなコメントを出しています。

 民主党の原口一博前総務相は2日、自発的退陣を表明した菅直人首相(党代表)の後任を選ぶ代表選への出馬に関し、「資格があるかは分からないが、求められれば逃げない」と強い意欲を示した。国会内で記者団に答えた。
原口前総務相が代表選に意欲

この二人が小沢氏の意を受けて動いていたことは明白ですので、これは小沢グループ全体の意思と考えても良いでしょう。一方で、現執行部にはこれと反対のコメントを出している人も居ます。

 民主党の岡田克也幹事長は2日の党代議士会後、菅直人首相の退陣表明に関連して「鳩山由紀夫前首相の述べた平成23年度第2次補正予算案と復興基本法案の成立は辞任の条件ではない」と記者団に語った。
岡田幹事長 2次補正成立は首相退陣条件でない

岡田さんは明らかに空気が読めていません。これは一体どういうことなのか?

ところでネット上では、今回の顛末について「小沢さんは鳩山さんにハシゴを外された」などと言われているようですが、今回明らかになったことは、「小鳩連合が本気になれば、何時でも菅政権を引き摺り下ろすことが出来る」ということであり、上記の両者コメントから考えても、菅総理が「不信任で辞めさせられる」という汚名を回避して、両者と手打ちしたことは確実です。つまり、変節したのは菅総理の方ということになります。

それでは、菅さんが鳩山さんに持っていった手土産は何でしょうか。その答えが、恐らく上記の岡田コメントなのだと思います。つまり、管さんは名誉ある撤退を保証してもらった代わりに、現執行部内の反小鳩強硬派、具体的には岡田幹事長と枝野官房長官(仙谷さんは・・・?)の首を差し出すということではないかと予想します。

例の特例公債法案の件もありますから、6月中に菅内閣が総辞職して代表選を実施し、小沢復権で表向きは昔のトロイカ体制に戻すという形を取るのが有力でしょうか。もしそうだとしたら、切られる面々はいい面の皮ですが、菅さんは「意外と政治家らしい政治家だった」ということになりますね。さてさて、どうなるか。

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2011年6月 1日 (水)

本丸は特例公債法案(追記)

世間では内閣不信任案の可否で喧々諤々ですが、実のところ本丸は特例公債法案ではないかと思っています。

  1. 社民党を除く野党5党は不信任案に賛成すると明言しているので、今後菅政権が継続する限り協力することはないでしょう。
  2. そうなると菅政権は、衆議院の優越が認められる範囲外では、衆院の2/3を以て再可決しなければ法律を通せません。
  3. ところが、小沢氏を中心とする造反衆院議員は現段階でも50名超と報道されていますので、彼らが離党若しくは除名処分となると衆院の再可決は出来ません。
  4. また、小沢グループが離脱した場合、行動を共にする参院議員が20名程度は見込まれるようなので、菅政権は参院過半数から更に遠ざかることとなります。野党の一部を取り込んだ位では、とても過半数に届きません。

従って、赤字国債発行に必要な特例公債法案はどうやっても通らないのです。

尚、今年度予算は既に執行が始まっていますので、予算全体の半分を占める赤字国債が発行できないとなると、早ければ7月にも国家予算が枯渇します。また、地方自治体についても、実質的に地方交付税という国からの補助金で成り立っている部分が多いため、こちらも資金繰りに支障を来すことになります。日本では、まさかカリフォルニア州の様にIOUを発行する事態にはならないでしょうが、要するに菅政権は既に詰んでいるということです。

この状況を打開するためには、菅内閣が総辞職して野党と協力できる人物を立てるか、解散総選挙に打って出るかの2択となります。つまり、内閣不信任案が可決されても否決されても結果は同じなのです。

近い将来に政界再編があることは確実な情勢となりました。願わくば、今度こそ日本国民の為のマトモな政府が作られますように。

<一部修正>
当初「公債特例法案」としていましたが、正確には「特例公債法案」でしたので訂正しました。但し、Wikipediaによると「公債特例法案」でも良いようです。

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