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2013年12月10日 (火)

本ブログはFacebookに移行します

本ブログも昨年夏から更新が滞っており、大変申し訳ありません。実はサボっていたワケではなく、既に実質的にFacebookに移行しておりました。VVAULTの開発状況や日々の雑感などもFacebookの記事にしていますので、本ブログを御覧の方も以下のFBページを御覧ください(記事は公開設定しています)。また、直接的なお知り合いでない方も、別途FBメッセで「ブログ読みました」と送っていただければ、友達承認いたします。それでは、引き続きよろしくお願い申し上げます。

Facebook 三好修のページ

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2011年5月11日 (水)

iPhoneの料金プランがひどい件について

前期決算発表で大幅増益を発表したソフトバンクですが、その儲けの源泉であるiPhoneの料金体系で大問題が発覚しました。

 総務省は10日、ソフトバンクモバイルが販売するスマートフォン(多機能携帯電話)の「iPhone(アイフォーン)」で、利用者が知らないうちにデータ通信が行われ、通信量に応じて料金が変わる「2段階パケット定額プラン」の場合、当初の説明以上の料金が発生するケースがあるとして、原因の究明と適切な広告表示をするよう行政指導した。

 同プランではデータ通信を一定量までしか使わない場合の下限料金は月1029円。しかし、同省とソフトバンクが、購入したままの状態で端末を操作せず放置して検証したところ、1カ月で4台のうち3台が上限料金の4410円、1台が3000円台後半に達した。
iPhone:知らぬ間に通信料 ソフトバンク行政指導

1ヶ月全然触らなくても上限料金になるなんて、2段階料金制の意味が無いですね。事実誤認というより、詐欺と言われても仕方がないレベルではないでしょうか。

まあ、iPnone買って全然パケット使わない人というのは、あまり想像できませんので、収益構造上は是正しても問題ないでしょう。ただ、やはり企業の姿勢やガバナンス上からは、ちょっとどうかなと思います。

当社も最近コンシューマビジネスをスタートさせていますので、他山の石として気を付けるようにします。

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2010年5月20日 (木)

自動車の電子制御システムに脆弱性

米国の研究者が自動車のセキュリティについて分析したところ、簡単にECUが乗っ取れ、ブレーキやエンジンをコントロールすることが可能だったとのこと。

米ワシントン大学とカリフォルニア大学サンディエゴ校の研究者が自動車のセキュリティ問題について分析した論文をまとめた。自動車を制御する車載システムに攻撃を仕掛ければ、運転手の操作を無視してブレーキをかけたりエンジンを停止させたりすることが可能になり、自動車の安全に深刻な影響をもたらしかねないという。
車載システムへの攻撃で自動車が制御不能に、研究者がセキュリティ問題を指摘

通常は閉じている自動車の制御システムに対して、コストが発生するセキュリティ対策は掛けられていないと思いますが、万が一侵入者がいた場合には比較的簡単に乗っ取られるリスクがあるということです。閉鎖系に対する侵入者というとちょっと考えにくいのですが、ワームやウイルス的なものを想像するともう少し現実的になります。

レクサスの加速問題に関しては、トヨタが米国で2000台をサンプリングした結果、「電子制御スロットル(ETCS)の問題ではない」と証言していましたが、上記のようなリスクは依然として残るのでしょう。

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2010年2月26日 (金)

トヨタ問題の技術的側面

前回指摘したトヨタの利益志向についてですが、予想通り内部文書という形で公にされました。

トヨタ自動車の大規模リコール(回収・無償修理)問題に絡み、北米トヨタが09年7月の社内文書で「07年に実施したフロアマットの欠陥に関するリコールの台数を5万5000台に抑えたことで1億ドル(約91億円)超の費用を節約できた」と報告していた、と複数の米メディアが21日報じた。
トヨタ:大規模リコール問題 07年リコール抑制、91億円節約--内部文書

「リコール数を抑制することでコストを削減した」という表現自体が、人の命を預かる自動車メーカーとして非常に疑問に思われるものでしょう。本来であれば、製造者の責任として問題がある製品はコスト度外視で全て改修することが当然であるにも関わらず、この様な姿勢で望んでいるとすれば、トヨタは「コスト(利益)>安全」と考えているとされても言い訳できませんし、私も実際にそうなのではないかと思います。

ただ、今回の問題を受けてトヨタも従来の方針を見直すでしょうし、是非とも昔に立ち返って質実剛健な製品を生み出すように「カイゼン」して欲しいと思います。

さて、本題。今回トヨタは複数の品質問題を指摘されています。その中でも個人的に最もリスクが高いのは、レクサスやプリウスの急加速問題ではないかと思います。プリウスのブレーキ抜けについては、プログラム改修である程度対応できるでしょうが、急加速問題はDBW(drive-by-wire)に絡んでいるだけに、より深刻化する可能性があります。ちなみに日本語で「バイ・ワイヤ」と聞くと、アクセルペダルとスロットルがワイヤーで直結されているイメージになってしまいますが、英語のwireは電気コードを指しますので、実際は全く逆で機械的に直結されていない電気的な構成を意味します。

電気的な構成とは、アクセルペダルは角度センサーに接続されており、そこで読み取ったアクセル開度信号はECU(Engine Control Unit)に送られてデジタル処理され、その時のエンジン回転数、速度、スロットル開度等によって決定(マッピング)される制御数値をスロットルアクチュエータの開度信号として指示する機構であるということです。

一般に、車の加減速は吸気の流入量によってのみコントロールされますので、もしも車が急加速するというのであれば、スロットル開度が大きくなる方向に動かなければなりません。通常は運転者がアクセルを踏み込むことによってスロットルを開けるように制御しているのですが、これまでの報道ではアクセルペダルから足を離していても加速することがあるとされていますので、もしこれが事実だとすれば、何らかの原因でスロットルアクチュエータが動作し、急に開度が変化したということになります。

この場合の原因は、大きく分けて、

  1. ECUプログラムの不具合(バク)
  2. アクセルセンサー、ECU、スロットルアクチュエータ等の誤動作

の2つが考えられます。しかしながら、プログラムの不具合は通常何重ものデバッグ作業で取り除くためちょっと考え難く(もちろん可能性は残りますが)、そうなると残るのは誤動作という事になりますが、やはり米国でも同じ原因が想定されているようで、こんな記事が出ていました。

さらに、自動車の安全性に関する専門家として出席した、南イリノイ大のギルバート教授(自動車技術)は、ETCSの回路の不具合などでアクセルペダルから誤った信号がエンジンに送られれば、「安全システムが機能しない状況がありうる」と証言。急加速の原因について、ETCSを徹底的に調べるべきだとの見解を示した。

~中略~

ECUは、エンジン内に送り込む空気の絞り弁(スロットル)の動きを指示する。ECUの介在で空気量を適切に管理でき燃費向上などの効果を見込めるため、日本メーカーの多くが採用している。米国では「電波干渉などを受けECUが誤った指示を出す危険がある」などと安全性を疑問視する声も上がっている。
トヨタ:防戦一方 販売社長「技術者でないので」

ここでいう「電波干渉」というのは所謂ノイズの事で、開発現場の経験があれば分かる通り、実際にセンサーやアクチュエータの信号線へのノイズについては、開発時に大きな問題になることがあります。この対策としては、シールドやノイズフィルタなどがありますが、ノイズフィルタはディレイ(制御遅れ)を伴いますので、あまり強力に掛けることができません。また、配線などのシールド化は非常にコストが掛かるため、こちらはコスト面から十分な対応が出来ないケースもあります。

プログラムのバグに比較してノイズが厄介なのは再現性が低いところで、バグの場合は条件さえ同じにできれば必ず不具合が再現できるのに対して、ノイズの場合は複合要因で起こることが多く、再現出来ない場合が多々あります。このような場合にどのような対策を取るのかは、メーカーの設計方針に大きく依存しており、安全性を重視してコストが増大してもフェールセーフ対応するメーカーもあれば、コスト(利益)を重視してフェールセーフ対応を抑制するメーカーもあるのです。

それでは今回問題となっているトヨタは、上記どちらの設計方針を取っているのでしょうか? こちらの記事を見てください。できればリンク先の全文を読んでみると良いでしょう。

導入するのは「ブレーキオーバーライド」と呼ばれる仕組み。ブレーキが踏み込まれた場合、電子制御により、アクセルがどんな状態であっても解除する非常停止装置で、この仕組みがあれば、アクセルがフロアマットにひっかかるなど、車に異常が起きて暴走しても、車を止められる。ドイツ車にはほぼ完備されているのに、トヨタ車に付いていなかったことが、トヨタ車の暴走死亡事故が起きた米国を中心に、問題視されていた。
トヨタ新モデルにブレーキ優先装置 社長3回目の会見

もうお分かりの通り、上記のコスト重視派であるということです。でも、まあこれは経営方針ですから、ある意味しょうがありません。しかしながら、本当のリスクはこの先にあります。

もし、トヨタがスロットルの誤動作を予見しうる実験データを持っていたとしたらどうでしょう?

しかも、その上でコスト削減のために、制御系の2重化やフェールセーフ機構を削減していたとしたら・・・。これは大スキャンダルです。さらにその誤動作の原因がノイズだった場合、市場対策としては周辺回路を全てシールドするという非常にコストが掛かる方法しかない可能性があり、リコールでは改修出来ませんので対象製品は全て回収する事になります。

これが本件における予見しうる最悪のシナリオです。日本経済に与える影響を考えるとあまり想像したくありませんが、今回の急加速問題は、このレベルのリスクを含んでいるという認識をしておいた方が懸命かもしれません。

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2010年2月 5日 (金)

トヨタ炎上中

この実名ブログで書いてしまうと誹謗中傷と受け取られかねないため、これまでは書けませんでしたが、実は2006年頃から周囲の友人などに対して、「トヨタはそのうち品質問題が起きて大変なことになるだろう」と予想しておりました。そして2010年の今、まさにその予想通りの事態が起こっています。

  • 米国での暴走事故を発端とするアクセルペダル問題
  • 現在の中心商品であるプリウスの回生ブレーキ問題

これまでの経緯報道を見る限り、どちらも最初の弁明から内容が変遷しており、トヨタ内部でさえも真の原因究明が出来ていない、若しくはこの期に及んで隠蔽工作をしているという、どちらにせよ非常に憂慮される状況に陥っていると思います。

私が最初にトヨタの品質(というか設計方針)について疑問を持ったのは、自家用車の買換えが契機です。それまでは、自動車業界時代に従販で買った初代CR-Vに乗っていたのですが、結婚して子供が生まれたため、より使い勝手が良いミニバンに乗り換えようと思いました。

自動車会社勤務ではなくなって、自社製品に乗らなくてはならない縛りが解けたため、どうせなら以前に乗っていたトヨタや日産も選択肢に入れて自由に選んでみたいということで、早速各社のディーラーを廻りました。当時の第1候補は日産の2代目エルグランド、第2候補がトヨタの初代アルファードと当時出たばかりの現行エスティマで、実は最初はホンダ車が候補に入っていませんでした。

エルグランドは良くも悪くも大味で、真っ直ぐ高速を飛ばすには良い車でしたが、いかんせん重心が高すぎてロールやピッチが大きく、全体的に腰高感が強すぎて諦めました。後席の窓が開かないのも減点ポイントでしたね。

次にアルファードとエスティマを試乗したところ、両車とも後席の妻と娘が直ぐに酔ってしまいます。自分が運転しているときは変な振動モードを感じなかったので、不思議に思ってディーラの営業さんに運転してもらって自分が後席に乗ってみたところ、やはり気持ちが悪くなりました。結局家族の反対で却下されましたが、あれでは車に弱い人は直ぐ酔ってしまうでしょう。

「両方とも400万円超の車なのにおかしいな?」と思ってスペックを調べたところ、直ぐに原因が分かりました。リアサスペンションにトーションビームを採用しているではありませんか。車に詳しい人は分かると思いますが、トーションビーム方式は乗り心地は悪いものの部品点数が削減できるメリットがあるため、主に低コストFF車のリアサスペンションに良く使われる方式です。トヨタでもローエンド商品のヴィッツでは、マクファーソン+トーションビームを採用しています。

しかし、それをそのまま400万円超の売れ筋車に採用するのはあまり聞いた事が有りません。高額車において乗り心地をケアする場合は、ダブルウィッシュボーンを採用することが普通で、事実トヨタもフラッグシップモデルのクラウンではダブルウィッシュボーン+マルチリンク(マルチリンクはダブルウィッシュボーンの派生的な方式で、ダブルウィッシュボーンよりも高コスト)を採用しています。

クラウンほど高額ではないものの、アルファードも上位モデルのフルオプションで見積もると500万円を超えてくるような車です。その高額車の設計に際して、重要な足回りの投資をケチって内装(シートとか)の豪華さで誤魔化そうとする、また運転席はそこそこにセッティングしておいて、試乗で見逃しがちな後席で手抜きをするという設計方針を立てているとしか思えません。確かにそのような商品を大量に売れば儲かるでしょう。だって、製造原価を低く抑えられて粗利が大きいですからね。しかし、それは商売として誠実なやり方でしょうか。「どうせ客は分からないんだから、ボッタくっておけばいいんだ」とも言わんばかりな本音が見えるように思います。要するに顧客満足度や品質よりも、利益を取る企業風土だということです。

結局、アルファードもエスティマもパスして別の車を買いましたが、このことがあってからトヨタウォッチをするようになりました。面白いもので、経験や友人情報から業界事情が分かるせいか、調べてみると公開されている情報だけからでも、裏側で何が起こっているのか概ね類推することが出来るようになりました。

今回の品質問題は、一般に認識されているよりもずっと根が深いと思います。日本を代表する企業ですし、傾いた場合の影響も非常に大きいと予想されるため、是非とも復活してもらいたいと思いますが、経済の状態も勘案すると、かなり難しい状況であることは間違いないでしょう。

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2009年5月18日 (月)

トヨタの苦境が明らかに

本当はGW中に書こうかと思っていましたが、家族サービス等で忙しくいまさら投稿です。

以前から「怪しい」と書いていたトヨタの2010年3月期決算予想ですが、市場コンセンサス4400億円の赤字を大幅に下回る数値を出してきました。

 トヨタ自動車が8日発表した2009年3月期の連結決算(米国会計基準)は最終損益が4369億円の赤字だった。世界的な景気悪化で自動車販売が急減したほか、為替の円高が収益を圧迫。過去最高益だった08年3月期(1兆7178億円の最終黒字)から一転し、59年ぶりの赤字となった。10年3月期も販売減が続き5500億円の最終赤字を見込む。

 前期の連結売上高は20兆5295億円と22%減少した。北米、日本、欧州、アジアなどほぼすべての地域で販売が減少。連結販売台数は756万台と前の期に比べ15%減った。

 10年3月期は連結販売台数が650万台と約100万台減少するとみており、売上高は16兆5000億円と前期比で20%減る見通し。営業損益も8500億円の赤字を見込む。(08日 20:33)

トヨタ、前期は最終赤字4369億円 販売急激、円高も響く

営業損益が8500億円の赤字予想です。しかも、これは2009年度下半期に急激に市場が回復する前提での数値ですので、万が一景気が回復しない場合は赤字が2兆円に達してもおかしくありません(2008年度下期は1兆円の営業赤字)。

前々回、この赤字の原因が市場予測を誤って過剰な設備投資を行ったからと書きました(トヨタに関する不吉な予測)が、それを裏付ける記事がYahoo(毎日新聞)に掲載されていました。

 1年前に世界新車販売トップに上り詰めたばかりのトヨタ自動車が09年3月期決算で59年ぶりの最終(当期)赤字に転落したのは、世界的な金融危機に伴う販売激減と円高が主因だ。住宅バブルを背景に消費ブームに沸く北米市場偏重で急成長してきただけに、米金融・経済危機の打撃は予想以上に深かった。6月には創業家の豊田章男副社長(53)がトップに就任、「原点回帰」を旗印に経営立て直しを目指すが、生産能力年産1000万台、従業員32万人の巨艦の再建は並大抵ではない。【坂井隆之、大久保渉】

<トヨタ>歴史的赤字決算 急拡大が裏目に 販売急落の打撃増幅

もちろん、「設備投資が仇になった」ということは、裏を返せば営業赤字のかなりの部分が減価償却費であり、人件費などの単純なキャッシュアウトではありません。従って、「赤字=キャッシュが尽きて倒産」という単純な図式とはなりませんが、問題はトヨタの企業規模が大きすぎることにあります。

年間売上規模が20兆円ということは、月販でも2兆円程度あるということで、その必要運転資金は半端な規模ではありません。企業規模はかのGMと同程度なのです。そして、万が一、そのトヨタが資金繰りに詰まった場合、それを支えられる民間金融機関は存在せず、最終的に政府が支援する他ないのは米国の例を見ても明らかです。

本来ならば、もっと本格的にリストラを進めるべきなのではないかと思いますが、日本を代表する企業であるトヨタがなりふり構わず首切りを行えば、社会に与えるインパクトが大きすぎるため難しいのかもしれません。

自動車業界の知人に聞いたところ、今夏のボーナスはホンダ管理職で4割カット、一般社員で2割カット+残業代全カットとのこと。ホンダは2010年3月期予想が100億円の黒字でこの数字なのですが、8500億円赤字予想のトヨタが管理職ボーナス6割カットで間に合うのでしょうか。事態は非常に厳しい状況に進んでいると思われます。

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2009年4月24日 (金)

ロイターがこんな記事を

配信しちゃダメでしょう。だから、皆が勘違いするんだよ。

米国政府ではビッグスリーのSOSに応じて次から次へと救済策を打ち出している。しかし、そんなビッグスリーの姿勢は「盗人猛々しい」としか言いようがない。そもそも、この状況で会社が存続していたことが不思議なのだ。見せかけの好景気のなかで自動車がそこそこ売れ、経営陣がそれに甘んじていたのが、今日の結果である。潮が満ちているときには見えないが、潮が引けばボロが出る。景気がいいときにこそ、先に手を打つことが重要なのである。

トヨタはそれができた。だからこそ、持ちこたえているのだ。そして、不景気のときに強いのは、トヨタのように潤沢なキャッシュを持っている企業である。いい物件を安く買うことができ、設備投資も有利に進められる。優れた人材の採用もできるからだ。
ビッグスリーより強固なトヨタの財務体質

著者は公認会計士ということだが、トヨタの財務諸表を読んで書いているとは思えないですね。売上高20兆円、キャッシュ2兆円(2008年3月期末)のどこがキャッシュリッチなのか。キャッシュリッチとはMicrosoft、Google、任天堂のような企業のことを言うのであって、トヨタをはじめとする自動車メーカーでキャッシュリッチな企業など存在しません。

また、ビックスリーの経営を評して、「見せかけの好景気のなかで自動車がそこそこ売れ、経営陣がそれに甘んじていたのが、今日の結果である。」とは、トヨタさんも耳が痛いでしょうね。

いずれにせよ、マスコミ界隈のトヨタ信仰は異常とも言えます。もっと現実を見るべきでしょう。

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2009年4月14日 (火)

トヨタに関する不吉な予測

先週末でしたか、日経がトヨタの二期連続赤字予想を報じました。

トヨタ、2期連続営業赤字の公算 販売700万台割れへ

 トヨタ自動車の2010年3月期(米国会計基準)は、本業のもうけを示す連結営業損益が2期連続で赤字になる見通しだ。世界的な景気悪化で自動車販売が低迷するうえ、円高で輸出採算も厳しく、赤字幅は5000億円超となる可能性もある。連結販売台数(日野自動車、ダイハツ工業を含む)は650万台前後と、6年ぶりに700万台を下回りそうだ。

 生産体制の見直しや合理化を強化し、11年3月期の黒字回復を目指す。(12日 10:07)
トヨタ、2期連続営業赤字の公算 販売700万台割れへ

2010年3月期の連結営業利益が5000億円超の赤字の可能性ということですが、市場コンセンサスは現時点で4400億円の赤字となっており、GM破綻問題とも絡んでもっと悪化する可能性の方が高いと思います。以前からの指摘どおり、こうなると焦点はキャッシュが保つかどうかになるでしょうね。2008年3月期末時点でキャッシュが2兆円くらいしかありませんので、2009年3月期営業利益が-5000億として、2010年3月期にも5000億超の赤字だと、運転資金も加味してキャッシュポジションはかなり厳しくなるハズです。

トヨタが抱える問題は、一言で言うと「需要を大幅に超える供給(生産)能力を持ってしまった」ことです。

グループ全体で生産能力が1000万台/年のところに、2010年度の販売予測が650万台ということですから、需給ギャップは実に350万台にも達します。これは実需である650万台の過半を超える規模であり、ものすごい供給過剰状態です。これを根本的に解決するには大規模なリストラクチャリングしかありませんが、通常リストラには割増退職金などのものすごい追加コストが発生しますので、生き残るために行うリストラが、少ないキャッシュをさらに減らして行くという嵌まりパターンに陥ります。

正直、ここまでくると、

  • アメリカ市場が短期間で奇跡の復活を遂げる
  • (中国以外の)エマージング市場で急激に販売が増加する

などが起こらないと脱出は難しく、ひょっとすると既に詰んでいるかもしれません。

他の自動車メーカーも苦しいことは苦しいのですが、実は日系下位メーカーの販売はそれほど落ち込んでおらず、(日産はともかく)ホンダは例によって二輪と汎用が稼いでいるので何とか凌げている状態です。

トヨタだけが特別に苦しいのは、ここ数年の自動車バブル時に大幅な設備投資を進めてしまった反動がカウンターで返ってきているからで、実は2010年度販売予測の650万台という数値は、2004年度販売実績(670万台)と同程度のものであり、同年度の営業利益が1.66兆円ということを考えると、本来ならば十分に利益が出てもおかしくない数値です。

トヨタの販売台数推移

もちろん、2004年から比べて大型SUVなどの粗利が高い車種が売れる現状ではないので、利益の単純比較は難しいのですが、少なくともトヨタ経営陣によるこの6年間の経営方針が、今回のダメージを生んでいることは間違いありません。

さて、名実共に世界一となったトヨタは、果たしてこの絶体絶命の危機を乗り切ることが出来るでしょうか?

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2007年10月24日 (水)

新製品企画

 最近、Alternaxの後継製品が熟成してきたので、これをベースに新製品の企画をしている。実はこの後継製品はまだ発表していないのだが、既に既存のお客様を中心に導入を進めているところである。外見的にも従来の問題点の多くを解決し、軽く操作性が高いユーザインターフェースを持っている。また、当社としては、創業以来の基盤ソフトウェアであったContents Relation Engine(CRE)を大幅にバージョンアップし、SOAやWeb Serviceとも親和性が高い構造を持つようになった。

 これにより、Alternaxは次世代の構造へ進化したのだが、最近は番宣組などの派生製品が好調なこともあり、今後もニッチマーケット向けの派生製品を出していこうということになった。

 当社が今年1月に増資した際に、奉行シリーズで有名なOBC社に資本参加してもらった関係もあり、奉行シリーズと連動した機能を持つ製品に仕立てようと考えている。現バージョンのAlternaxでも、奉行シリーズと連携したソリューションを顧客に提供している事例があり、現在もあるお客様の案件として、この後継製品と奉行シリーズの最新版である奉行V ERPとの連携システム構築を進めている最中である。

 これらのOBC連携製品については、11月に開催される奉行フォーラムにて先出し展示する予定なので、これから企画ブラッシュアップを進めて開発に繋げて行く予定である。


奉行フォーラム2007
http://www.obc.co.jp/F2007/index.html

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2007年3月13日 (火)

ホワイトカラーエグゼンプション議論 本当の理由

 昨今何かと話題になっているホワイトカラーエグゼンプションだが、これはその人の立場と見方によって、議論が非常に幅広く捉えられる難しい課題である。

"また、ホワイトカラーエグゼンプションに対する是非については、長時間労働が一般化する、賃金が抑制されるなどといった懸念から、約7割の人が反対の姿勢を示しており、現状ではホワイトカラーエグゼンプション導入への理解を得るのは難しい状況が明らかになった。"
導入の是非が問われるホワイトカラーエグゼンプション--調査では約7割が反対 - CNET Japan

 マスコミなどでも、「残業代切捨て法案」などと散々攻撃されており、労働側から見た場合の不安感が非常に強いことは容易に想像できる。私自身も現在は経営者であるが、起業する前はまさにこの法案の対象者であったので、それまで普通に貰っていた残業代が無くなったらと思うと共感できる部分が多い。

 当時のホンダは会社と労組から残業が厳しく制限されており、1ヶ月で30時間程度しか許可されない優良企業であったため、自分自身では残業苦という記憶は無く、収入向上策という捉え方の方が大きかったと思う。実際、当時の生活を振り返って見ても、明らかに残業代収入を計算に入れて生活設計をしており、単純にカットされると考えた場合には、生活水準を切り下げなければならなかっただろう。
 #もちろん、貯金も含めた設計なので全部使っていたわけではない

 今回の場合、「残業代カット=固定+成果給上昇」であれば生活は変わらないハズなので、それ程反対する理由も無いとは思うのだが、多くの人は「残業代カット=給与切り下げ」という図式を描いて反対しているのであろう。そして、その予想は当たっている可能性が高い。何故ならば、政府(財界)側から本件が切り出されてきた本当の理由は、いまや日本人のマジョリティとなったホワイトカラーサラリーマンの人件費抑制であろうからだ。

 これは資本主義世界がグローバル化したことと無関係ではない。最近流行のM&Aに関連して、マスコミに取り上げられることの多いキーワードに「三角合併」というものがある。これは、新会社法施行に伴って2007年5月1日から解禁される予定の、外国企業による国内企業のM&A手法の一つで、外国企業が(現金を使わず)自社株式を使って国内企業を買収する方法である。

三角合併
http://www.nomura.co.jp/terms/japan/sa/sankakugappei.html

 これが何故問題かというと、時価総額の差がそのまま買収余力になるからだ。従来まで、外国企業が国内企業を買収しようとする際には、基本的に現金でのTOBが必須となっていた。国内企業同士では株式交換が可能だったのだが、外国企業にのみこの制限があり、事実上の参入障壁が築かれていたことになる。

 今回これが解禁されることで、国内の多くの企業が買収標的にされる可能性が高くなる。というのは、例え国内でトップシェアの大企業といえども、世界規模の企業から見たら安い買い物レベルの時価総額であることが多いからだ。例として良く挙がるのは、医薬品、製紙、化学、食品、鉄鋼、小売りなどの「内需関連企業」であるが、例えば、武田薬品工業は国内ではトップメーカーながら、世界規模では10位台でTOP10に入っていない。次の医薬品メーカー時価総額ランキングを見てみよう。この表を見る限りは、国内企業は全て買収標的になり得る規模である。

順位企業名国名時価総額
(100万ドル)
売上高
(100万ドル)
1ファイザーアメリカ208,75851,298
2ジョンソン・エンド・ジョンソンアメリカ193,16350,514
3グラクソ・スミスクラインイギリス158,38239,410
4ロシュ・ホールディングススイス151,72428,539
5ノバルティススイス136,18932,212
6サノフィ・アベンティスフランス119,58733,987
7アストラゼネカイギリス98,57623,950
8メルクアメリカ91,42322,012
9アムジェンアメリカ87,55312,430
10ジェネンテックアメリカ87,1426,633
14武田薬品工業日本55,57510,722
18アステラス製薬日本22,5017,778
27エーザイ日本13,8505,318
28第一三共日本12,2085,473
(出所 : 東洋経済2006年11月18日号より抜粋) 時価総額は2006年9月末現在

 話が長くなったが、要するに日本企業(の経営陣)は、自社を防衛するために時価総額を上げる努力を求められている訳である。そして、その時価総額は収益性とリンクしており、PER(株価収益率)などの指標で評価されることが多い。収益=売上-コストなので、買収防衛を行うために収益性を上げようとすれば「売上を上げてコストを下げる」他無いのだ。

 古今東西を問わず、企業にとってもっとも大きなコストが人件費であることは論を待たない。日本企業も製造業においては、「失われた10年」の期間に大規模なリストラを実施し、工場などの生産設備は中国をはじめとする海外オフショアに流出した。また、国内に残った産業でも、派遣やライン請負などのアウトソーシングを進めることによって、生産性を大幅に向上させている。そして、残る聖域がホワイトカラーなのである。

 ここで問題になるのが、日本独自の極度に保護された労働慣行である。実際に自分がそうじゃなくなってみると良く分かるのだが、国によってはリストラに怯えるどころか、仕事そのものが存在しないことも多いなか、日本のホワイトカラーは非常に恵まれた環境にあると思う。

 政府としても、米国の外圧を受けながら国内産業を守るためには、

1.国内の格差が拡大しても世界で勝てる企業を作る
2.国全体が貧乏になる

のどちらかを選択せざるを得ないと考えてこの議論を切り出しているのだろう。要するに全員が貧乏になるのではなく、「社会として必要な一握りの人材は高給に。そうでない方はそれなりに。」ということだ。企業による国内への投資や税収を考慮した場合、全体が沈むよりはこちらの方が良いのは明らかだ。当然、これは国民の経済格差拡大に繋がるのだが、他に選択肢が無いのならしょうがない。この状況では、近いうちに労働関連法規の全面的な改正議論になることは避けられないだろう。

 中国が発展を続ける限り、「すぐ隣の国に知的レベルが高く、人件費が(少なくとも日本よりは)安い人間が軽く1億人以上いる」という状況は覆りそうにない。私が知る限りでも、日本語を流暢に使える中国人はかなり多く、彼らこそがホワイトカラーの潜在的競合者なのである。

 労働者として、「残業代がカットされる」と声高に叫ぶのも正論ではあろう。しかしながら、国としてそのような状況になってきているということも同時に指摘しなければ、今後の日本の方向性を決める重要な時期として、大きな問題なのではないだろうか。

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